京都で生まれた着物に模様を染める技法「友禅」
江戸時代、京都の人気扇絵師「宮崎友禅斎」の画風を着物に染めた技法が「友禅染め」と呼ばれました。
京都から全国に拡がった「友禅」染め。京都では、その後もさまざまの技法を組み合わせたりと色々な画風の
染め模様が生まれました。自由な表現が特徴となって独自の「京友禅」文化となりました。
本友禅と言われる友禅の基礎「本友禅」
もともと全て手作業から行われていた友禅染めは、加工技法の異なる後の型友禅の登場などから、区別して
「手描き友禅」と呼ばれ、後に生まれるさまざま技法の基礎であることから「本友禅」とも呼ばれています。
摩擦や水濡れに強い
着物はバラバラにして元の一本の反物に縫い合わせて染めなおしたり洗い張りという加工をすることが出来ます。
友禅染めはそのことを考慮しているため水濡れや摩擦に強い技法なのです。
●京友禅とは
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江戸時代に京都の扇絵師「宮崎友禅斎」の画風を着物に取り入れて細やかな模様を染める技法が生まれたことから友禅染めが始まりました。その後は全国に拡がり現在に文化、産業として受け継がれている模様染めの伝統技法です。
発祥の京都では特に盛んで数々の技法を生み出して独自の特色京友禅文化を育んできました。
明治時代には大量生産を可能にし友禅着物は急速な普及をさせた型友禅の発明と登場により、これまでの全てフリーハンド加工の作業の友禅染めを手描き友禅と区別されました。
手描き友禅はさまざまな友禅技法の基礎となり中核をなすため本友禅とも呼ばれています。
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●手描き京友禅とジーンズ・Tシャツとの相性
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生地の糸(繊維)自体を染めるため繊維の凹凸を塞ぐことなく染料と生地が一体化することで通気性・肌触りなど素材の風合いを損なうことがなく、また摩擦等による欠落・欠損が出ないため、着用時や洗濯時にも通常のジーンズ・Tシャツと同様に扱うことが出来ます。
「手描き」友禅は特に繊維の奥まで染料が入り込むために耐久性に優れている上に技法の特性上、自然に深みのある色が出ます。
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●加工の違いよる「色と糸」の関係
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手描き友禅の特徴
染料が繊維の中に浸み込むほど糊気の少ない染料液で模様を染めることは、手描き友禅ならではの技術。
摩擦に強く、水濡れに強く、通気性を損なわない、生地の伸縮にも同調する、特徴は生地を織っている糸を構成している繊維自体に色を染めているからです。 |
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●昔ながらの本友禅染め
DOUSEN JEANSでは作業効率よりも体や環境のために安心で安全な昔ながらの工程と材料を選んでいます。敏感な肌の方やお子様にも
安心して着用して頂けます様に石油系溶剤、洗浄の必要ない工法で製作しています。
【使用材料での比較の例:防染糊】
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材料 |
溶剤 |
所要時間 |
DOUSEN JEANS |
餅米 |
水を溶剤として洗い流せる。 |
乾燥に1〜4時間、地入れ後は2〜6時間(気温、湿度により大きく異なる) |
近年、主流な加工 |
ゴム |
揮発溶剤(石油系)が必要。 |
乾燥に10〜20分、地入れ後は20〜30分(ほぼ一定時間) |
※防染糊の地入れ(定着・浸透)作業にも溶剤を使用します。
※友禅地入れにおいてもDOUSEN JEANSでは昔ながらの材料(海藻や豆からの抽出液)を使用しています。
●生地を傷めない
前加工としての藍(インディゴ)を落とす作業においても一般的な脱色のように(※1)生地を焼くことなく藍(インディゴ)のみを洗い流します。
一昼夜(季節により異なる)近い放置時間を必要としますが元の素材を安心で安全なまま傷めない加工が可能です。
(※1)生地が焼ける:薬品などによる生地の傷み=生地の劣化現象
●下絵
オリジナルデザイン(図案)を基に1本ずつの素材(ジーンズ・Tシャツ等)のサイズ、形に合わせて図案に変化を持たせて描き写します。設計図面の様な物で、この時点から1本ごとに個性が出始める最も重要な工程。 |
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●防染(糸目)糊
友禅での彩色作業(挿し友禅)の際に模様がくっきりと染められるように防染します。筒の先から出る(※2)防染糊を下絵の通りに描きます。数ある友禅染の技法の中で挿し友禅には必ず必要なため挿し友禅は糸目友禅とも呼ばれるています。手描き友禅ならではの工程です。
(※2)DOUSEN JEANSでは近年のゴムを練ったゴム糸目ではなく、もち米を練った昔ながらの糊糸目を使用していますので洗浄に石油系溶剤を使用しません。
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●藍(インディゴ)抜染
友禅での彩色を鮮やかにするためにデニムに染った藍(インディゴ)を(※3)洗い流します。元々藍(インディゴ)は定着が弱いため色落ちを楽しむ趣向のあるジーンズ。生地を傷めることなく模様部分だけを意図的に色落ちさせます。手描き友禅ならでは色の深みと鮮やかさを出すための工程です。
(※3)DOUSEN JEANSでは生地を傷めることなく藍(インディゴ)を落としています。 |
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●友禅(挿し友禅)
昔ながらに(※4)地入れされた生地に色を入れていきます。生地の繊維の中まで色を挿し込むことから「挿し友禅」とも言われる、手描き友禅ならではの色の深みが生まれます。染料の種類により異なりますが、それぞれの方法で糸の繊維に固着させることにより生地の風合いを損なうことなく染め上がります。
(※4)DOUSEN JEANSでは友禅の前処理作業である地入れにも海藻や豆などの自然材料を使用していますので染料定着後の水洗いにて洗浄されます。 |
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※実際の工程と工程との間にも さまざまな次の工程への下処理加工などを行います。
※一枚ごとに、のり落とし・最終洗浄など「水洗い」の工程を数回行い、耐水性の確保と確認をしています。
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